ROAD TO 東京2020 ウエイトリフティング選考 完全攻略ガイド 

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この記事ではオリンピック選考の過程について可能な限りわかりやすく説明しようと思います!国際ウェイトリフティング連盟(IWF)の公式説明文ですとあまりにも分かりにくいので未だに理解が出来ていない人たちがほとんどだと思います。

え!?今までの選考方法と違うの?

そうなんです...全然違うんです!!

今回の選考に関しては細かいルールがたくさんあります!長くなってしまうので早速選考プロセスの詳細を見ていきましょう!

1. 選考期間のスケジュール

選考は2018年11月から開始されます。ちょうど2018年世界選手権の直前ですね。選考期間は18ヵ月間になっていて、3シーズンに分かれています。

第1シーズン:  2018年11月1日〜2019年4月30日

第2シーズン: 2019年5月1日〜2019年10月31日

第3シーズン: 2019年11月1日〜2019年4月30日

オリンピックに出場するためには18ヵ月の選考期間の間、選手達は最低でも6試合に参加(検量のみを含む)する必要があります。また、各シーズン毎に最低1試合に参加が必須となります。つまり最低でも6ヵ月に一回は試合にでる必要があります。

これは全てのアスリートを常に試合に参加させるためです。試合に参加する機会が増えれば増えるほどドーピング検査を受ける頻度が上がります。結果的に、ドーピングした選手は処罰されやすくなります。

よし!じゃあ試合に参加しまくればいいんだな!

ただし、参加する試合はIWF公認の試合である必要があります。国体や全日本選手権など、IWF非公認の試合にどれだけ参加してもオリンピック選考にはカウントされませんので要注意です!

更に、IWFに認められている試合は3つにランク付けされていて、これらの試合に参加する必要があります。 

ランクはゴールド、シルバー、ブロンズの3つになります。

ゴールドイベントは最も競争率が高いイベントになります。

例:世界選手権、アジア選手権、ヨーロッパ選手権などの大陸選手権

シルバーイベントはそれなりに規模が大きい国際イベントになります。

例: IWFワールドカップ、日韓中フレンドシップ大会

ブロンズイベントは小規模の国際イベントや地域毎のイベント等が含まれます。※ブロンズの試合では世界記録が認められていません。

東京2020に出るには18ヵ月の選考期間中に最低でも一つのゴールドイベントともう一つ追加でゴールドもしくはシルバーイベントに参加する必要があります。

2. 階級の選択

ウエイトリフティングでは選手の体重によって階級が異なります。IWFより定められている階級は10個になります。

男性の階級は:

55kg, 61kg, 67kg, 73kg, 81kg, 89kg, 96kg, 102kg, 109kg, +109kg

女性の階級は:

45kg, 49kg, 55kg, 59kg, 64kg, 71kg, 76kg, 81kg, 87kg, +87kg

ただ、オリンピックでは20個の階級全てが出れるわけではないんです!オリンピックで参加可能な枠は下記のとおりです;

男性の場合:

61kg, 67kg, 73kg, 81kg, 96kg, 109kg, +109kg

(55kg、89kg、102kg級が抜けています)

女性の場合:

49kg, 55kg, 59kg, 64kg, 76kg, 87kg, +87kg

(45kg、71kg、81kg級が抜けています)

オリンピックの方が階級少ないの??どうして?もったいない!

そうなんです!非常に残念なのですが、ドーピング問題で枠を減らされてしまいました.…

国際オリンピック委員会(IOC)の観点からすると、他の人気スポーツの枠の方を増やしたいんですよね(野球とかバスケとか) 。その方がお金にもなりますし、そもそも新たにスポーツをたくさん追加し始めた主な理由はそれです。でもこの話を続けてしまうと長文になってしまうのでまた別の記事で!(笑)

先程説明した通り、オリンピックでは男性と女性合わせて14つの階級が認められています。そして各階級ごとに参加が認められているのは最大で14人になります。各国から階級毎に一名のみ選手を選抜することが可能です。(中国人ばかりメダルを獲得することはもうない)国ごとに最大8人(男性4人、女性4人)の選手の参加が認められています。

ちょっと待てよ...じゃあ非オリンピック階級で試合に出てる選手たちはオリンピック出れないのかよ!

心配無用!実は...出れるんです!

選考期間中に非オリンピック階級にて試技することは認められています。ただし、選考の18カ月期間中に最低2回はオリンピック階級で試合にでなければなりません。

例として:89kgの山本選手がオリンピックに96㎏級として出たい場合この18ヵ月期間中に最低でも2回96㎏として参加すればいいんです!彼は既に2018年IWFワールドカップにて96kgとして試合に出ています。また、この間の東京2020テストイベントにて96kgとして検量しています。彼はこの条件を既にクリアしていますね。

やった!東京2020で俊樹パイセン見れるかも知れないんだね! 

3. アンチドーピング規則違反による枠の削減

ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン等、とっても特別なサプリ(笑)を使いすぎた国々は枠が減らされます。当たり前ではあるんですが、アンチドーピング規則違反が多い国はオリンピックに参加できる選手の数が減ります。まぁ、妥当な制裁ですね...

北京オリンピックから東京2020の間の期間中に違反が多いと枠数に悪影響が出ます。 例として、上記期間中ににアンチドーピング規則違反が10~19回あった国は4枠(男子2人、女子2人) しかないです。規則違反が20回以上ある国はさらに枠を減らされ、合計2人(男子1人、女子1人)しか送れないです。

日本みたいなドーピングと無縁の国は心配無用ですね!

4. ポイントを稼ごう!

皆さん大丈夫でしょうか?付いてこれてます?説明している僕の方も頭がパンクしそうです。

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新しい選考プロセスが難しすぎて泣きそうになるジン選手

いいですか皆さん....

ここからが最も重要です!!

単純にドーピングに引っかかってなければオリンピックに出場できる! なんてことはないんです。世界レベルにて結果を残さないと出場は非常に難しくなります。全ての選手達はポイントを稼いで世界ランキングの上位に入ることを目指さなければなりません。

開催国枠が与えられる日本は例外なのですが(これは後程触れていきます)、基本的に選手たちのパフォーマンス次第でオリンピック出場が決まります。

今回の選考過程で初めて導入されたシステムが...

ロビポイント(Robi points)になります。

ん?ロビ?なにそれ?おいしいの?

...まぁそうなりますよね。ロビポイントはIWF所属の科学者さんであるロバート・ナギー(Robert Nagy)博士が発明したシステムです。ちなみにですが、ロバート博士のあだ名がロビーだからロビポイントらしいです。(しょ...しょうもねぇ...)

簡単に言いますと世界記録に基づいて階級間の選手たちを比較するシステムです。世界記録=1000ポイントを基準に計算されます。ちょうど世界記録と同じトータルを出せば、1000 ロビポイントがもらえます。ちなみに、挙げる重量が重ければ重いほどロビポイントがもらえます

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ロビポイントのグラフ。X軸:世界記録の% Y軸:ロビポイント

例えば、世界記録のちょうど半分を挙げると100ポイントしかもらえないですが、世界記録の80%を挙げればなんと400ポイント以上もらえます。

つまり挙げる重量が重ければ重いほどオトク!

階級ごとの世界記録を基準としているので、別の階級で更に重い重量を挙げたからと言ってさらにポイントがもらえるわけではありません。例えば、Aさんが89㎏として世界記録をとっても、Bさんが81㎏として世界記録をとっても、二人とも同じく1000ポイントもらいます。

このロビポイントの点数を基に、すべての選手たちの世界ランキングが決まります!

あと、ロビポイントは出た試合のランクに大きく影響されます。なぜなら、出るイベントによってもらうポイントに補正がかかるからです!イベントのランクによって補正の倍率が異なります。

ゴールドイベント:取得したロビポイントの1.1倍

シルバーイベント:取得したロビポイントの1.05倍

ブロンズイベント:倍率なし(1.00倍)

つまり、ゴールドイベントとブロンズイベントで全く同じトータルを挙げてももらえるロビポイントが全然違うんです!例えば、世界記録と同じ重量を挙げてもその試合がゴールドイベントでは1100ポイント(1000 X 1.10)もらえますし、ブロンズイベントでしたら1000ポイントしかもらえないです!

ということは...

ゴールドイベントやシルバーイベントにできる限りたくさん出場した方がロビ得!!

最終的なな選手たちの格付けが決まるのは選考期間が終わった後 (2020年6月) になります。ランキングは下記4つのスコアから決まります。

スコア1:第1シーズン中の最高ロビポイント

スコア2:第2シーズン中の最高ロビポイント

スコア3:第3シーズン中の最高ロビポイント

スコア4:選考期間中の上記3つの次に高いロビポイント

皆さんお気づきでしょうか。18ヵ月の選考期間中に6回試合に出場することが求められているのに、必要とされるスコアは4つのみになります!つまり、6試合中2試合はカウントされません!皆さん2回程度はしくじってもOKってことですね!(笑)

現在のランキングはIWFのこちらのリンク先から確認できます

https://www.iwf.net/qualif/menu

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10月23日の時点での暫定ランキング。1位はもちろん、ジョージアのラーシャ

※こちらは暫定的なランキングであり、最終ランキングではありません。

にしても...ラーシャの合計ポイント高すぎぃ!

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手持ちのロビポイントが多すぎて大喜びするラーシャ選手

ラーシャ選手(Lasha Talakhadze)は第1シーズン中に1278.70008点(2018年世界選手権)を獲得しています。

現時点でのラーシャ選手のポイント。上の二つのスコアは第1シーズンから(2019年ヨーロッパ選手権及び2018年世界選手権のスコア)。下の一つは第2シーズンから(2019年世界選手権のスコア)。

なぜこのような高得点になったのか実際に計算して確認してみましょう!

選考期間が始まった時、世界記録の基準はワールドスタンダードの453kgでした。(ワールドスタンドとは:2018年の階級更新に伴い予め設定された記録のことです。ワールドスタンダード以上の重量を挙げない限り新世界記録は達成されません。)ラーシャはそれを遥かに上回り、トータルで474kgを挙げました。

ロビポイントの数式にこの数字を補正無しで入れると...1162.4546点と出ます!世界記録以上のトータルを挙げたので、1000ポイント以上取得してますね。しかし、世界選手権はゴールドランクの試合ですので、これをさらに1.1倍で掛け算します。そうすると1278点と出ます。

※ちなみにですが、 IWFのサイトにロビ計算機があります→ https://www.iwf.net/weightlifting_/robi-sinclair-new-bw/

お分かりいただけましたでしょうか...ラーシャは最強なのです!

....あ、今その話してないか(笑)

え...でもロビポイントって世界記録を基準にするんでしょ?

世界記録が更新されたあとはどうなるの!?

USAウエイトリフティングのCEO、フィル・アンドリュースによると...本来の予定では、各シーズン毎にロビポイントの基点となる世界記録を更新する予定だったらしいです。

例えば、第1シーズン中にA選手が81㎏級で400kgの新しい世界記録を出したとします。これによって第2シーズンの始まり(2019年5月1日)にロビポイントの基点が400kgに更新されます。第2シーズン中にどんなに世界記録が更新されてもこの6か月間の間(2019年5月1日~10月31日)はロビポイントの基点は400kgのままになります。つまり、他の選手が第2シーズン中に402kgを挙げようが403kgを挙げようが、81kg級のロビポイントは400kg世界記録を基に計算されます。第2シーズン中にA選手がまた世界記録を更新し、新世界記録が401kgと設定されたとします。この場合、第3シーズン中のロビポイントの基点はこの401kgに変更されます

しかし!またしてもドーピングのせいで問題発生!

2018年世界選手権以降、世界記録を更新している選手たちが次々とドーピングで引っかかってしまいました!ドーピングしていた選手たちの記録を基に他の選手たちのポイントやランキングを計算するのは不公平です!不公平極まりない!

...ですのでとりあえず今のところ全てのポイントの計算は第1シーズンの開始時に設定されたワールドスタンダードを基に計算されているみたいです。

ランキングの話に戻りますが、ロビポイントによって各選手は格付けされます。ではランキングが具体的にどのようにオリンピック出場資格と関係してくるのか見ていきましょう。

オリンピック出場条件は以下の通りです:

1. 世界ランキング上位8位以内に入ること

2. 各大陸ランキングにて世界上位8名の次にランキングが高いこと

※大陸は全てで5つ:アフリカ、アメリカ州(北米、南米)、アジア、ヨーロッパ、オセアニア

3. それ以外に、特権として開催国枠及び3者委員会招待(Tripartite Commission Invitation)というものが存在しますが、こちらは後程触れていきます。

つまりオリンピック出場チームは階級ごとに

8名(世界上位8位)+5名(各大陸から1名ずつ)+1名(特権枠)で合計14名になります。

えっ、じゃあ世界的に上位8位入っていなくてもオリンピックに出れちゃうってこと?

そうなんです。例えば、アメリカ合衆国のウェス・キッツ選手は最終的に世界ランキング上位8位に入らなくてもオリンピックに出場する可能性が高いです。なぜなら、彼はパンアメリカン選手権(アメリカ州の大陸選手権)にて優勝してます。つまり、彼は現時点でアメリカ州で最もランキングが高い選手となります。

しかし!!!

これはとっても簡単な例です...もっと複雑な例を見ていきましょう!では109kg級の世界ランキングを見ていきましょう。現在109kg級の世界上位8名はこの通りです:

順位

名前

国籍

最高

トータル

ランキング

ポイント

1

MARTIROSYAN Simon

ARM

435

3,467.4401

2

YANG Zhe

CHN

420

3,164.2194

3

ARAMNAU Andrei

BLR

426

2,981.6519

4

DJURAEV Akbar

UZB

417

2,957.1230

5

BOCHKOV Rodion

RUS

414

2,906.4741

6

CHUMAK Dmytro

UKR

380

2,805.1700

7

HASHEMI Ali

IRI

405

2,778.3093

8

MICHALSKI Arkadiusz

POL

403

2,697.6491

ですが、最初の方に説明しましたルールを思い出してみてください!各国最大男子を4名しか送れないのです。中国は金メダル獲得の確率が最も高い軽量級の男子を4名(61kg, 67kg, 73kg, 81kg,)を送ります。つまり2位のYANG選手はオリンピックに出場しない可能性が非常に高いです。また、5位のBOCHKOV選手ですが、ロシアはこの間の新たなドーピングスキャンダルのせいでオリンピック出場の可能性がほぼ0になりました。ではこの二人を除外し、改めて世界上位8位を見てみましょう。

順位

名前

国籍

最高

トータル

ランキング

ポイント

1

MARTIROSYAN Simon

ARM

435

3,467.4401

2

ARAMNAU Andrei

BLR

426

2,981.6519

3

DJURAEV Akbar

UZB

417

2,957.1230

4

CHUMAK Dmytro

UKR

380

2,805.1700

5

HASHEMI Ali

IRI

405

2,778.3093

6

MICHALSKI Arkadiusz

POL

403

2,697.6491

7

PLESNIEKS Arturs

LAT

405

2,693.6002

8

KITTS Wesley Brian

USA

399

2,551.4050

ランキングが変わりましたね...実際に各国がどの選手を送るかはわからないです。また、いつ誰がドーピングスキャンダル起こすかわからないです。つまり、このランキングは第3シーズン中に大きく変わる可能性がなくはないです。ただ、今のところ上記の選手たちが109㎏階級の世界上位8人として選ばれる可能性が一番高いです。

では、アジア大陸の枠は誰が掴むのでしょうか?109㎏級のアジア大陸のランキングを見ていきましょう。

順位

名前

国籍

最高

トータル

ランキング

ポイント

1

YANG Zhe

CHN

420

3,164.2194

2

DJURAEV Akbar

UZB

417

2,957.1230

3

HASHEMI Ali

IRI

405

2,778.3093

4

JEONG Kisam

KOR

396

2,529.1483

5

SEO Huiyeop

KOR

395

2,464.1934

6

JIN Yunseong

KOR

360

2,427.7657

7

BERSANOV Ibragim

KAZ

390

2,416.9056

8

MOCHIDA Ryunosuke

JPN

393

2,318.8055

これが今のところのアジア大陸ランキング上位8名です。この中で、世界上位8位に入れなかった最もランキングが高い人が1名だけ選ばれます。ですので、既に世界上位8位に含まれている選手は除外しましょう。

順位

名前

国籍

最高

トータル

ランキング

ポイント

1

JEONG Kisam

KOR

396

2,529.1483

2

SEO Huiyeop

KOR

395

2,464.1934

3

JIN Yunseong

KOR

360

2,427.7657

4

BERSANOV Ibragim

KAZ

390

2,416.9056

5

MOCHIDA Ryunosuke

JPN

393

2,318.8055

6

SHIRAISHI Hiroaki

JPN

385

2,234.0092

そうすると韓国のJeong Kisam(ジョン キサム)選手が一位になります。つまり今のところアジア大陸枠で東京2020に出れる可能性が一番高いのはジョン選手になるということです。ただ、これは暫定的なランキングです。最終的にどうなるかはわかりません。御覧の通り、全ての選手が数十点~数百点差ですので第3シーズン中にこの順位は大きく変わる可能性が高いです。

5. 開催国としての特権・その他の例外

東京2020の選考プロセスを一通り説明したのですが、実は例外がいくつかあります!

開催国である日本は必ず女性3枠と男性3枠が保証されています!

もちろん出場できるのは階級ごとに一名のみです。もし日本人選手 がこれまでに説明した通常の選考方法で誰も選ばれなかったとしても、6枠(男子3枠、女子3枠)は保証されています。通常の選考方法で誰も選ばなれなかった場合、日本が6名を選抜してオリンピックに出場させることになります。通常の選考方法で出場資格を得た選手が女子・男子両方にて4人以上いる場合、日本は最大で合計8名の選手をオリンピックに出場させることが可能です。

つまり、日本人が合計8名出場したかったら結局のところロビポイントを頑張って稼がないといけないんです!

※開催国枠を使用するとしても、選手たちは最低でも各シーズンごとに1試合に出場する必要があります。つまり合計3つの試合に出る必要があります。また、その3つの内1つはゴールドもしくはシルバーイベントである必要があります。

出場資格を得ている選手を4名以上抱えている国はどうするの?

例えばですが、中国はオリンピック出場可能な選手を確実に4名以上確保しています。この場合、国自体が出場する選手を選ぶことができます。

主催国の特権枠以外にも例外があります。

三者委員会招待というものが存在します。(Tripartite Commission Invitation)

こちらの例外はかなりルールが複雑ですのであまり細かく触れないでおきます。

簡単に言いますと、この委員会は国際オリンピック委員会、各国内オリンピック委員会、そして各スポーツ連盟(ウエイトリフティングの場合IWF)の3者によって構成されています。三者委員会招待券は最大で8枠(女子4枠、男子4枠)付与されます。これは国ごとに与えられるのではなく、選手ごとに与えられます。また、この招待券の目的としては、普段オリンピックにて活躍することが少ない国々に輝くチャンスを与えることです。ですので、恐らく世界ランキングの低い選手が選ばれる可能性が高いです。

注意点ですが、三者委員会招待の枠を利用するとしても、その選手は18か月の選考期間中に最低でも2つの試合に参加し、そのうち1つはゴールドもしくはシルバーランクのイベントでなければなりません。

以上になります!

かなり複雑ですが、皆さんご理解できましたでしょうか。全部覚えることは難しいですが、上記の細かいルールを全て知っておくと東京2020までの試合がさらに楽しめると思います!重量挙げファンの皆さんだけではなく、アスリートやコーチの皆さんの役に少しは立てたかなと思います。

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複雑なオリンピック選考プロセスがやっと理解できて喜ぶ持田選手!

このオリンピック選考についてポッドキャストも収録しているので是非そちらも聴いてみてください!聴いた方が楽な方にはポッドキャストをおススメします。

そして日本代表チームの皆さん!!

ロビ稼ぎ頑張ってください!!!

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第4回目:ROAD TO TOKYO  ~東京2020オリンピック選考過程 完全攻略ガイド

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